インタビュー#10

「作る」から、「読む」へ。──16年間アルバムを続けて見つけた、“思い出せる幸せ”

渡邊泉さんインタビュー

16年間、家族の写真をアルバムに残し続けてきた渡邊泉さん。

子育ての毎日、アルバムクラス、家族との時間。

“作ること”を続けてきた先に、

今、渡邊さんが大切にしているのは

「アルバムを読む時間」だといいます。

ページを開くと、

その時の気持ちまで戻ってくる——。

今回は、そんな渡邊さんの My Album Story を伺いました。

Q, 16年前、どんな思いでアルバムづくりを始められたのでしょうか?

渡邊さん:

わたしの母が定期的に写真を現像して、アルバムを作ってくれていたのを見て育ちました。

アルバムにはところどころにコメントが母の手書きで書いてあり、それを読むのが好きなこどもでした。

いつか自分も家族ができたら、その家族のアルバムを作りたいという自然な気持ちの流れで作り始めました。


Q,ご自身のアルバムづくりと同時に、アルバムクラスやサポートも16年間続けてこられていますが、ここまで長く続けてこられた理由は何だと思いますか?

渡邊さん:

ただ作るのが楽しいということだけでなく、写真を見させていただき、その時々の思いや悩みを安心して話せる場所の提供になっているな、ということを多々感じていました。

アルバムを作るという手作業を通して、実は子育てが“孤育て”にならないように、みんなで支え合う時間になっています。

参加してくださる方に、自分がいていい場所と感じてもらえていたらと思っています。


Q, 16年間続けてきて、「最初の頃」と今で、アルバムとの向き合い方に変化はありますか?作ること、残すこと、読み返すことなど、今だから感じることがあれば教えてください。

渡邊さん:

たくさんの写真をどうにかアルバムというカタチにすることを優先として、楽しみながら作っていました。完成すると達成感がすごく嬉しかったです。

こどもも大きくなりましたが、写真は今も撮り続けているし、こどもたちから各自撮った写真のデータを送ってくれます。

それらの写真を整理しながらも、今は同時に昔のアルバムを開く時間を持つようにしています。

【読み返す】ことで、忘れていたこと、その当時の気持ちや思い出に立ち返り、今の自分やこどもたちと向き合うことができています。


Q最近、「アルバムを読む時間」をとても大切にされていると伺いました。
“作る時間”ではなく、“読む時間”を大事にするようになったきっかけはありますか?

渡邊さん:

オンラインワークショップを毎月開催しているのですが、その中に昔のアルバムを紹介するコーナーがあります。

定期的に昔のアルバムを開く習慣がつくようになったのですが、作るだけでなく、意識して昔のアルバムを開くと改めていろんな発見があり、さらにアルバムの奥深さを感じています。

心が整ったり、家族に対して優しい気持ちになったり、自信につながったり、いいことばかりです(笑)

また昔のアルバムを広げていると、こどもたちも覗き込み、その時の話題で盛り上がったりします。

そんな時間も愛おしく感じられるのも、アルバムを読む時間があったからだと思います。


Q, 高校を卒業された次女Rちゃんの幼稚園時代のページを読み返した時、どんな気持ちになりましたか?
当時の自分、当時のRちゃん、そして今のRちゃんを重ねて感じたことを教えてください。

渡邊さん:

今年の3月に高校を卒業した次女Rの、幼稚園入園のアルバムを開く機会がありました。

そのアルバムには・・・

幼稚園に行くようになったら日中、家にRがいなくなるので

「ママ寂しいなぁ。家にいてもいいよ。」

と、わざと私が言ったとアルバムに書いてありました。

その時、Rが言った言葉が「ママはペーパーやってて」でした。

そのアルバムを読み返していた時、渡邊さんの心に深く残った、小さなRちゃんの言葉でした。

小さいRにとって、アルバムを作ることは「ペーパーやること」だったみたいです。

その言葉を読み返した時、今のRのしっかりしたところと重なって、

「やっぱりRはRだったなぁ」としみじみ感じました。

そして今、Rは私がアルバムの仕事をしていることを、

「他のお母さんとはなんか違う感じで誇りに思う」と言ってくれています。

その言葉をもらえたことがとても嬉しかったです。

アルバムを続けてきた時間が、今の親子の繋がりにもなっているんだなと感じています。


Q,「ママはペーパーやってて」その言葉を読み返した時、どんなことを感じましたか?

また、お子さんたちにとって、アルバムづくりはどんな存在だったと思いますか?

渡邊さん:

たぶんRにとって、わたしが“ペーパーやっている姿”は、「いつものママ」であり、安心そのものだったのかなぁと思います。

自分を見てくれているということを、間接的に感じてくれていたのだと思います。

なので、自分も頑張って幼稚園に行く!と決心したかのように感じました。

アルバムを作る時間は、ただ作品を作る時間ではなく、子どもにとって“愛されている安心感”にもつながっていたのかもしれません。

ワークショップでも「アルバムを作る姿をお子様に見せてくださいね」とお客様にお伝えしています。

その姿がお子様にとって安心、愛情につながると信じているからです。



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アルバムを開けば、その時に戻れる──娘と一緒に育む思い出のかたち

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Q, 日々の何気ない会話や出来事を“書き残すこと”について、今感じていることを教えてください

時間が経った今だからこそ気づく価値はありますか?

渡邊さん:

日々の何気ない会話って、どんどん流れていってしまい、忘れてしまうことも多々ありますよね。

でもアルバムに書き留めていると、何年経っても思い出すことができます。

今、自分で書いたジャーナリングに救われることがたくさんあります。

ジャーナリングからは、子育て頑張っていたことや、いろんなことを乗り越えてきたことなど、自分を認めてあげることができます。


Q, アルバムクラスを続けてきた中で、印象に残っている参加者さんの変化や言葉はありますか?

また、「誰かと一緒にアルバムを作ること」の良さをどんな時に感じますか?

渡邊さん:

お客様がアルバムを作りながら、「頭の整理になる!」と話してくださったことが印象に残っています。

ワークショップなどでは、どうしてもクラフトが前に出てきてしまいがちですが、写真とお客様の心と向き合うワークショップなので、それを感じてもらえたのがとても嬉しかったです。

子育てで日々疲れているというママさんでしたが、ワークショップから帰られる頃には笑顔いっぱいでした。

また、ママの結婚式のアルバムページを息子さんに見せたら、怒って泣いてしまうということがありました。

帰られてから改めてお家でママと息子さんがアルバムを一緒に広げたら、

「ママ大好きー♡」

と大きなハグをもらい、息子からの愛もたくさん感じられて嬉しかった、ありがとうございます!と連絡をいただいたことも印象的です。

アルバムは、親から子に愛を伝えるものでもあり、逆に子から親に愛を伝えてくれるツールでもあることを、その時お客様から教えてもらいました。

わたしのお客様は、ワークショップ後にお子様に出来上がったアルバムページを見せて、喜ぶ姿の写真や動画を送ってくださいます。

お客様がその姿を見て、「作り続けたいと思います!」とお返事をくださることが、わたしにとっても嬉しいことです。


Q, 渡邊さんが感じる「思い出せることの幸せ」とは、どんなことなのでしょうか?

渡邊さん:

毎日毎日めまぐるしく頑張っている皆さんだと思います。

すごい幸せなこと、感謝いっぱいの事柄も、どんどん過ぎていってしまいがちだと感じています。

「思い出せることの幸せ」は、ただ“昔を振り返る”だけではなくて、【その時の気持ちまで瞬時に戻る】ことなのかなと思います。

「あの頃大変だったけど頑張ってたな」って自分を認めることができたり、何気ない日が、実は宝物だったと気づけます。

今そばにいる人の大切さを再確認できたり、子どもの成長を“ちゃんと積み重ねてきた”と感じられたり。

当時は気づかなかった幸せを、あとから見つけられるのもアルバムの力だと思っています。

アルバムって、記録のためだけじゃなくて、自分と向き合える素敵な場所だと思っています。

アルバムは、過去を残すだけではなく、“今の自分を支えてくれる場所”なのかもしれません。


Q, 今、子育て中の方や、「アルバムを続けられるかな?」と思っている方へメッセージをお願いします

渡邊さん:

アルバムは、“完璧に作ること”を目的にせずに、その時の気持ちや、大切な瞬間を未来に残していくことが、楽しく続けられるコツだと思っています♡

1ページでも、あとから見返した時に「残してよかった」と思える宝物になります。

またアルバム作りは、“今しかない子育ての日々”を、自分自身でも味わい直せる時間だと感じています。

頑張った記録も、笑った記録も、泣いた記録も、きっと未来の自分や家族を支えてくれます。

またアルバムは1人で作らず、アルバム仲間と作ると作り続けることができますよ!

一緒に楽しみながら、思い出に居場所を作っていきましょう♫

「ちゃんと作らなきゃ」ではなく、

“今の気持ちを少し残してみる”

そのくらいの気持ちで、ぜひ始めてみてくださいね。

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